「シネマプレビュー」では、産経新聞文化部の映画担当記者が試写を見た感想を率直にレビューします。メジャーな作品から、上映館数の少ない玄人好みの作品まで、幅広くセレクト。単館上映の作品は観るのをためらいがちですが、記者による踏み込んだ感想で「観に行きたくなる」こと必至。新聞社としての信頼と自信を持って魅力をお伝えします。■番組のフォロー、評価をお願いします!※下記文中のリンクが機能しない場合は、各エピソードの概要欄をご利用ください。同文・同リンクを掲載しています。■産経Podcast おすすめの番組①『戦後史開封:ゴジラ編』1954年に劇場公開された初代「ゴジラ」。映画のアイデアは、日本を騒然とさせたビキニ環礁の水爆実験から生まれた‥。ゴジラ誕生の舞台裏をラジオドラマ風にお届けするドキュメンタリー番組。・Spotifyで聴く(リンク)・ApplePodcastで聴く(リンク)・Amazon Musicで聴く(リンク)②『ラーメン官僚と山口えりこの〝ずるっとラーメントーク〟』これまでに実食したラーメンは18,000杯以上の、現職の国家公務員で〝ラーメン官僚〟こと「かずあっきぃ」さんと、飲食トレンドリサーチャーの山口えりこさんの実用的なラーメン談義をお届けする番組。・Spotifyで聴く(リンク)・
■サムネ画像は:映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」©2024アングリースクワッド製作委員会
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」
税務署員と詐欺師が手を組み、悪徳実業家に立ち向かう|というユニークな設定の作品。韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」を原作に、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督が映画化した。
■「正体」
脱走した死刑囚が間一髪で警察の追っ手を逃れながら潜伏を続ける。同名小説を「余命10年」などで人気の高い藤井道人監督が映画化。げっそりと痩せ、ぎらぎらと目を光らせながら逃走を続ける主人公を横浜流星が演じる。
■「山逢いのホテルで」
スイスの美しい自然の中、母と女の立場の間で揺れるヒロインを描く。監督はこれが長編デビュー作となるマキシム・ラッパズ。主人公の気品ある魅力に圧倒される。息子のためだけに生きてきた彼女の中で甘い夢が抑えがたく膨らんでいく様子が切ない。
■「リュミエール!リュミエール!」
シネマトグラフ(撮影・映写機)を1895年に発明し、映画の父と呼ばれるルイとオーギュストのリュミエール兄弟の映像をまとめた「リュミエール!」(2017年)の続編。映画ファンはもちろん、映画界を目指す人たちにも必見の作品。
■ナビゲーター 德重翠(木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾)
■「シネマプレビュー」では、産経新聞文化部の映画担当記者が試写を見た感想を率直にレビューします。メジャーな作品から、上映館数の少ない玄人好みの作品まで、幅広くセレクト。単館上映の作品は観るのをためらいがちですが、記者による踏み込んだ感想で「観に行きたくなる」こと必至。新聞社としての信頼と自信を持って魅力をお伝えします。
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■産経Podcast おすすめの番組
①『戦後史開封:ゴジラ編』1954年に劇場公開された初代「ゴジラ」。映画のアイデアは、日本を騒然とさせたビキニ環礁の水爆実験から生まれた‥。ゴジラ誕生の舞台裏をラジオドラマ風にお届けするドキュメンタリー番組。
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②『ラーメン官僚と山口えりこの〝ずるっとラーメントーク〟』これまでに実食したラーメンは18,000杯以上の、現職の国家公務員で〝ラーメン官僚〟こと「かずあっきぃ」さんと、飲食トレンドリサーチャーの山口えりこさんの実用的なラーメン談義をお届けする番組。
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■サムネ画像は:映画「海の沈黙」©2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「海の沈黙」
脚本家の倉本聰が長年温めてきたという、「美とはなにか」を問う物語。世界的な画家、田村(石坂浩二)は展覧会で展示された自作が贋作と気づき、ある事件で姿を消した天才画家、竜次(本木雅弘)の存在が浮かび上がる。竜次のかつての恋人であり、今は田村の妻である安奈(小泉今日子)は、彼を追い北海道へと向かう…。
■「六人の噓つきな大学生」
同名小説を「名も無き世界のエンドロール」などの佐藤祐市監督が映画化。就職試験の最終選考に残った6人の大学生は友情を温め合うが、課された最終審査は「自分たちで合格者を選べ」。そして彼らは、会議室という密室で6通の怪しい封筒を見つける。そこには、各人の噓と罪が記されていた。
■「ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US」
世界的なベストセラー小説を、俳優のジャスティン・バルドーニがメガホンをとって映画化。バルドーニは主人公の相手役という重要な役で出演もしている。原作は恋愛小説をうたうが、作家の半自伝的な内容で家族やパートナーからの暴力を扱う。映画も、それらの主題に正面から誠実に取り組んだ。
■「チネチッタで会いましょう」
時代の変化についていけず、仕事も家庭もうまくいかない映画監督の姿をコメディータッチで描く。ナンニ・モレッティ監督が、自身の集大成として製作、主演も務めた。あらゆる場面にフェデリコ・フェリーニ監督作品など過去の名作や自作の引用が散りばめられ、映画愛に満ちた作品。
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①『戦後史開封:ゴジラ編』1954年に劇場公開された初代「ゴジラ」。映画のアイデアは、日本を騒然とさせたビキニ環礁の水爆実験から生まれた‥。ゴジラ誕生の舞台裏をラジオドラマ風にお届けするドキュメンタリー番組。
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■サムネ画像は:映画「室井慎次 生き続ける者」©2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「室井慎次 生き続ける者」
平成の大ヒットドラマ・映画「踊る大捜査線」シリーズの主要人物の一人、室井慎次(柳葉敏郎)。彼のその後を描いて10月に公開された「敗れざる者」の圧巻の続編。
■「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
米アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ラッセル・クロウ)など5部門を受賞した「グラディエーター」(2000年)の続編。監督は前作に続き名匠リドリー・スコット。ローマ帝国軍の侵攻により妻を殺され、自身も奴隷となったルシアス(ポール・メスカル)はローマへ連行され、グラディエーター(剣闘士)として円形闘技場での死闘に挑むことに。
■「Back to Black エイミーのすべて」
アルバム「バック・トゥ・ブラック」を発表し、グラミー賞5部門を受賞して一躍世界的大スターになるも、27歳の若さで早世した英国のシンガー・ソングライター、エイミー・ワインハウス(1983~2011年)の生涯を、実話を基に描いた。
■「アット・ザ・ベンチ」
売れっ子写真家で気鋭の監督、奥山由之による自主制作映画。河川敷に取り残された古いベンチをめぐる5つの短編からなる、優しさあふれるオムニバスで、当代の人気俳優らが丁々発止の芝居を繰り広げる。出演は広瀬すず、仲野太賀(たいが)、森七菜、草彅剛など。
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■サムネ画像は:映画「動物界」© 2023 NORD-OUEST FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 2 CINÉMA - ARTÉMIS PRODUCTIONS.
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「動物界」
人がさまざまな動物に変化していく奇病が蔓延した世界を舞台にした作品。単なるスリラーではなく、私たちが無意識に持つ「人間と動物は違う」という確信が溶けていくような不思議な感覚を味わわせる。トマ・カイエ監督作品。
■「本心」
AIで故人を再現したら、一体何を語るのか。平野啓一郎の同名小説を原作に、石井裕也監督が、デジタル技術が高度に発達した世界で「実感」を見失っていく人々を描く意欲作。
■「レッド・ワン」
米ハリウッドのサンタクロースものにはずれなし。これもそう。「ワイルド・スピード」シリーズなどのドウェイン・ジョンソンが、タフでマッチョなサンタの護衛隊長を演じる。ひと足早くクリスマス気分を味わいながら単純明快に楽しめる。
■「ベルナデット 最強のファーストレディ」
カトリーヌ・ドヌーヴが、仏のジャック・シラク元大統領を支え続けたベルナデット夫人を演じる軽妙なコメディー。レア・ドムナック監督が事実を大胆に改変して脚本化した。
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■サムネ画像は:映画「ゴンドラ」©VEIT HELMER-FILMPRODUKTION,BERLIN AND NATURA FILM,TBILISI
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「ゴンドラ」
主な舞台は自然豊かな山の谷間をつなぐ古い2つのゴンドラ。そして主人公はゴンドラの乗務員、ニノとイヴァという2人の女性。セリフもない。こんなミニマムな設定なのに、冗舌なせりふよりも、もっと多くのことが伝わってくる。
■「十一人の賊軍」
旧幕府軍と新政府軍による戊辰戦争(1868~69年)の最中、新発田(しばた)藩の命運を握る任務に就きながらも、最後は藩の逆徒となる11人を描いた集団抗争時代劇。山田孝之、仲野太賀の主役2人はもちろんだが、脇役のイカサマ博徒を飄々と演じた歌舞伎俳優、尾上右近の存在感が際立つ。
■「アイミタガイ」
親友の叶海(かなみ、藤間爽子)を事故で失い、現実を受け入れられない秋村梓(黒木華)が主人公。それぞれの悲しみを抱えた、一見無関係の人々が登場するが、実は、それぞれの思いはお互いを支え合っていた。背中を押された梓は駆けだす。叶海に手を引かれるように。
■「ルート29」
謎が満載の作品だ。鳥取の精神科病棟に入院する女性から「姫路にいる娘を連れてきて」と頼まれた主人公のり子(綾瀬はるか)が、その娘ハル(大沢一菜)を姫路で見つけ、国道29号を2人で旅することに。旅の途中、まるで異界に迷い込んでしまったかのように不思議な人々と出会う。
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■サムネ画像は:映画「八犬伝」©2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「八犬伝」
虚構は美しくあるべきか、現実の噓を暴くものであるべきか|。山田風太郎の同名小説を曽利文彦監督が映画化。滝沢馬琴の伝奇小説「南総里見八犬伝」を題材に、8人の剣士が戦う「虚」と、執筆中の馬琴と葛飾北斎の交流を描いた「実」が交互に描かれる。
■「ノーヴィス」
他人に認められるため、壮絶な努力で困難を克服しようとする主人公の高揚と狂気を描く。 大学のボート部に入部したダル(イザベル・ファーマン)。才能あるブリル(エイミー・フォーサイス)に勝つべく必死に練習に打ち込むが、彼女の行動は常軌を逸し始め…。
■「スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナル ハッキング ゲーム」
人気小説が原作のサスペンスシリーズ第3弾にして最終作。初作は恋人がスマホを落としたことを発端に連続殺人鬼に付け狙われるヒロインを北川景子が演じ、続編は刑事役の千葉雄大を主演に殺人鬼、浦野善治役の成田凌とタッグを組む展開。そして今回は成田が主演。クォン・ウンビを相手役に日韓を舞台にダークヒーロー的な活躍をする。
■「シングル・イン・ソウル」
今やラブコメの秀作が期待できるのは米ハリウッドより韓国。これも佳作。独りの時間を満喫するカリスマ塾講師と独りが苦手な出版社の編集長が、シングルライフがテーマのエッセー本出版を巡り対立しながら心を通わせる。
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■サムネ画像は:映画「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」© & TM DC © 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
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■「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」
社会現象と化した「ジョーカー」(2019年)の続編。再びトッド・フィリップス監督がメガホンを取り、ホアキン・フェニックスがジョーカーことアーサー・フレックを演じた。逮捕されたフレックは精神科病院に収容され、リーという女性と出会う。リーを演じるのは歌手のレディー・ガガ。今年最大の話題作だろう。
■「ジョイランド わたしの願い」
因習に縛られた社会にあえぐ人々を、サーイム・サーディク監督が描く。カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門審査員賞とクィア・パルム賞を受賞した。舞台はパキスタン。伝統的な社会で自分らしさを求め、行き場を失う人々の姿が胸に迫る。
■「ボルテスV レガシー」
昭和52年の日本のロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」(テレビ朝日系)を、フィリピンで実写化した。今回はフィリピンのオリジナルストーリーで、家族愛の強さという国民性が前面に出て、令和の日本では考えつかないようなストーリー展開となっている。
■「徒花-ADABANA-」
自分のクローンによる延命治療が実現した近未来を舞台に、甲斐さやか監督が人の生死の意味を問う。カズオ・イシグロ原作の映画「わたしを離さないで」を思わせる物語。映像と雰囲気は悪くないが、やや観念的過ぎる印象も。
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■サムネ画像は:映画「室井慎次 敗れざる者」(C)2024 フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
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■「室井慎次 敗れざる者」
フジテレビの人気ドラマから派生した「踊る大捜査線」シリーズの12年ぶりの新作。ドラマ放送からは27年。主人公は室井慎次(柳葉敏郎)。定年前に警察庁を辞し、故郷の秋田に戻っている。組織の中で敗れ、青島俊作との〝約束〟を果たせなかったのだ。
■「BISHU 世界でいちばん優しい服」
世界三大毛織物の産地である愛知県一宮市を中心とした「尾州地域」を舞台に、高校生の神谷史織がファッションコンクールに挑む姿を描く青春映画。「ミッドナイトスワン」で新人賞を総なめにした服部樹咲(みさき)の初主演作。
■「2度目のはなればなれ」
英国の89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦の70周年式典参加のため、老人ホームを抜け出した実話を基にした人間ドラマ。老人ホームで暮らすバーナード(マイケル・ケイン)は、妻のレネを置いて、一人で仏ノルマンディーに旅立つ。ジャクソンは昨年6月に死去し、遺作となった。
■「最後の乗客」
とある東北の小さな街で、タクシードライバーの遠藤(冨家ノリマサ)が閑散とした深夜の住宅街で謎めいた若い女性(岩田華怜)を乗せる。世界各地の映画祭で絶賛され、数多くの賞を獲得したヒューマンミステリー。
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■サムネ画像は:映画「二つの季節しかない村」© 2023 NBC FILM/ MEMENTO PRODUCTION/ KOMPLIZEN FILM/ SECOND LAND / FILM I VÄST / ARTE FRANCE CINÉMA/ BAYERISCHER RUNDFUNK / TRT SİNEMA / PLAYTIME
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「二つの季節しかない村」
「雪の轍(わだち)」のヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品。不満や嫉妬を抱えて生きる卑小な人間と壮大な自然を対比して描く。メルヴェ・ディズダルが、カンヌ国際映画祭でトルコ人初の女優賞を獲得した。
■「シビル・ウォー アメリカ最後の日」
最も悲惨な戦争は、同じ国民が殺し合う内戦だという。アレックス・ガーランド監督は、分断の果てに内戦に陥った米国を舞台に、不寛容と不信が生んだ地獄を生々しく描き出した。
■「花嫁はどこへ?」
2001年、インドのとある村。同じベールで顔が隠れた2人の花嫁がそれぞれの花婿の家へ向かう満員列車を降りる際、プールの夫が勘違いをしてジャヤを連れ帰ってしまう。正反対の女性2人の姿を通して、インド社会や人情を映し出している秀作。
■「本を綴る」
多くの映画、ドラマでバイプレーヤーとして活躍する矢柴俊博の初主演映画。書店の減少に危機感を抱く東京都書店商業組合のYouTubeチャンネルから派生した作品。 全国に実在するユニークな書店が登場。本好きにはそれだけでも興味深い。
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■サムネ画像は:映画「憐れみの3章」©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「憐れみの3章」
ヨルゴス・ランティモス監督の最新作。3つの物語で構成される。同じキャストがそれぞれの物語で異なる役柄を演じているが、さりげない共通点が加えられている。描かれているのは支配と欲望、愛と服従、信仰と妄信の間で揺れ動く人間の本質。不穏な空気を漂わせながらも、どこかユーモラスでスタイリッシュに描き出す手腕はさすが。
■「Cloud クラウド」
6月に「蛇の道」(柴咲コウ主演)が公開されたばかりの黒沢清監督の新作は菅田将暉と初タッグを組んで、ネット社会を背景に雲のように湧き出る悪意の恐ろしさを描くサスペンス。主人公は悪人ではないが無自覚に他人を傷つけ、恨まれて報復の標的とされる転売屋。菅田は意図的に現実味を薄めた芝居により、この男を巧みに表現する。
■「犯罪都市 PUNISHMENT」
拳一つで凶悪犯たちを打ち破る最強怪物刑事、マ・ソクト(マ・ドンソク)の戦いを描いた「犯罪都市」シリーズ4作目。主演のマがシナリオ原案から企画、製作に携わってきた。マの繰り出すボクシングアクションで次々と悪人が倒されていくさまは痛快。
■「サウンド・オブ・フリーダム」
「性犯罪目的の児童売買を止めたい」という切実な願いに胸を打たれる。アレハンドロ・モンテベルデ監督作品。児童売買を行う犯罪組織を捜査する米政府組織の職員、ティム(ジム・カヴィーゼル)。犯罪者を逮捕しても、売られた子供たちを救えずに悩む彼は温床のコロンビアに。捜査官の身分も捨て、協力者の元マフィアらと闇の奥深くへ進む。
■ナビゲーター 德重翠(木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾)
■「シネマプレビュー」では、産経新聞文化部の映画担当記者が試写を見た感想を率直にレビューします。メジャーな作品から、上映館数の少ない玄人好みの作品まで、幅広くセレクト。単館上映の作品は観るのをためらいがちですが、記者による踏み込んだ感想で「観に行きたくなる」こと必至。新聞社としての信頼と自信を持って魅力をお伝えします。
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①『戦後史開封:ゴジラ編』1954年に劇場公開された初代「ゴジラ」。映画のアイデアは、日本を騒然とさせたビキニ環礁の水爆実験から生まれた‥。ゴジラ誕生の舞台裏をラジオドラマ風にお届けするドキュメンタリー番組。
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②『ラーメン官僚と山口えりこの〝ずるっとラーメントーク〟』これまでに実食したラーメンは18,000杯以上の、現職の国家公務員で〝ラーメン官僚〟こと「かずあっきぃ」さんと、飲食トレンドリサーチャーの山口えりこさんの実用的なラーメン談義をお届けする番組。
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■サムネ画像は:映画「あの人が消えた」ⓒ映画「あの人が消えた」製作委員会
■産経新聞の映画担当記者が試写会で見た4作品をレビューします。
■「あの人が消えた」
監督・脚本はドラマ「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)の演出家、水野格(いたる)。ミステリーホラー風味で始まるが、配達員の丸子(高橋文哉)のおせっかいな行動が短慮で、ムードにそぐわなくなっていく。「〝先読み不可能〟ミステリーエンターテインメント」という宣伝文句は、まさにその通り。
■「トランスフォーマー/ONE」
ロボット生命体が変身して活躍する「トランスフォーマー」シリーズ。主人公オプティマスプライムと宿敵メガトロンは、いかにして誕生したのか。その始まりの物語を、実写ではなくCGで熱血に描いた〝新次元リアルCGムービー〟。
■「パリのちいさなオーケストラ」
パリ五輪閉会式で仏国歌などを演奏したディヴェルティメント・オーケストラを設立した指揮者、ザイア・ジウアニの実話に基づいた音楽青春ドラマ。マリー・カスティーユ・マンシヨン・シャール監督は淡々として静かな描写を積み重ねる分、ラストの「ボレロ」が印象深く聞こえる。
■「西湖畔(せいこはん)に生きる」
美しい山々の風景と、欲望に火をつけられ踊り狂う人々の姿の対比が印象的な作品。監督は「春江水暖 しゅんこうすいだん」のグー・シャオガンが務めた。 自己実現の夢と承認欲求を巧みに刺激し、参加者を〝覚醒〟させる洗脳の描写がリアル。
■ナビゲーター 德重翠(木村きょうや声優・ナレータープロ養成塾)
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①『戦後史開封:ゴジラ編』1954年に劇場公開された初代「ゴジラ」。映画のアイデアは、日本を騒然とさせたビキニ環礁の水爆実験から生まれた‥。ゴジラ誕生の舞台裏をラジオドラマ風にお届けするドキュメンタリー番組。
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