笹川日仏財団がお届けするプログラム「フレンチ・クラシック・カフェ」。フランス音楽の素敵なところをちょっと変わった切り口でご紹介します。ご案内役は軽妙なトークで定評のある指揮者の中田昌樹さんです。 《中田昌樹プロフィール》 1951年札幌生まれ。道立札幌西高校卒業。国立音楽大学器楽学科卒業後、フランスに留学。パリ・エコール・ノルマル音楽院指揮科を一等賞首席にて卒業。アメリカ・タングルウッドで小澤征爾、バーンスタインの教えを受ける。 パリ・コンセール・パドゥルー管弦楽団を指揮してヨーロッパデュー、その後、フランス国立リヨン管弦楽団で音楽監督セルジュ・ボドのアシスタントを務める。ベルリン放送交響楽団、ブルガリア国立ソフィア室内管弦楽団などヨーロッパ各地で指揮。 帰国後、新国立劇場開場当初からオペラ制作に携わり、オペラ研修所特任講師も務める。 吹奏楽の分野では、吹奏楽コンクール全国大会/支部大会/県大会の審査、各地の指揮講習会の講師を長年に渡って担当。 札幌大学文化学部 客員教授、新国立劇場オペラ制作部 専門員、新国立劇場オペラ研修所特任講師 、Institut Francais du Kyushu (九州日仏会館) 『フランス音楽の陰影』レクチャー講師 等を歴任。
今週から2回続けて、ギュスターヴ・シャルパンティエの『ナポリ』をお届けします。
フランス北部のトゥルコアン(Tourcoing)でパン職人の息子として生まれたシャルパンティエは、成績優秀で故郷の町から奨学金を得て、21歳の時パリの国立高等音楽院に進学します。
27歳でローマ賞を受賞し、イタリア滞在の成果として書き上げたのがこの『ナポリ』です。のちに4つの楽章を加えて、5楽章から成る組曲『イタリアの印象』に仕上げました。
今回お聞きいただく部分には、ナポリの少し激しい感じのする「タランテラ舞曲」の合間に、歌うような陽気な雰囲気の民謡が挿入されています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ギュスターヴ・シャルパンティエ作曲 組曲『イタリアの印象』第5楽章 ナポリ
オンドレイ・レナールト/指揮 スロヴァキア放送交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週もピアニストの深尾由美子さんをゲストに迎え、セヴラックの曲をお届けします。
セヴラックの創造活動には思い出がとても重要な役割を果たしています。アルフレッド・コルトーに「最高傑作」と言わしめた曲集『セルダーニャ』の「リィビアのキリスト像の前のらば引きたち」は、セヴラックが敬愛していたアルベニスへの思いが込められた作品です。
セヴラックの全ピアノ作品とその創作思想について分析した『セヴラック 追憶の変奏曲』が2025年1月中旬、春秋社より刊行予定。
出版を記念し、1月12日(日)15時より、静岡のグランシップ中ホールにて、深尾由美子トーク&ピアノコンサート「南仏の風に乗せて-デオダ・ド・セヴラックの世界」が上演されます。
深尾由美子
博士(音楽)。桐朋学園大学ピアノ科卒業後、ヨーロッパ各国でピアノソロ、室内楽の研鑽を積み、フランス国立リヨン地方音楽院修了。これまでに「セヴラック、失われた時の音楽」、ヴァイオリニストのジェラール・プーレとの「ピレネーの太陽」をリリースするほか、「セヴラック・ピアノ作品全集vol. 1~4」をナクソス・ミュージック・ライブラリー、Spotify、Apple Musicで好評配信中。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】デオダ・ド・セヴラック作曲 『セルダーニャ』より「リィビアのキリスト像の前のらば引きたち」
深尾由美子/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
セヴラックの全ピアノ作品とその創作思想についての分析『セヴラック 追憶の変奏曲』(2025年1月中旬、春秋社より刊行予定)の著者でピアニストの深尾由美子さんをゲストに迎え、セヴラックについて語り尽くします。
深尾由美子
博士(音楽)。桐朋学園大学ピアノ科卒業後、ヨーロッパ各国でピアノソロ、室内楽の研鑽を積み、フランス国立リヨン地方音楽院修了。これまでに「セヴラック、失われた時の音楽」、ヴァイオリニストのジェラール・プーレとの「ピレネーの太陽」をリリースするほか、「セヴラック・ピアノ作品全集vol. 1~4」をナクソス・ミュージック・ライブラリー、Spotify、Apple Musicで好評配信中。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】デオダ・ド・セヴラック作曲 『休暇の日々より 第1集』より「シューマンへの祈り」「お祖母様が撫でてくださる」
深尾由美子/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週も続けてデオダ・ド・セヴラックを取り上げます。
スペイン貴族の血を引くセヴラックは、ピレネー山脈東部のフランスとスペインに跨る地域、セルダーニャの農民生活を描いた『セルダーニャ』を残しています。この作品は「民族的な題を出来事にしつつも、民族音楽に陥らない芸術性を保つ」と評されました。ドビュッシーも「とても素敵な大地の香りがする」と言っています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】デオダ・ド・セヴラック作曲 『陽光のもとで水浴びする女たち』、『セルダーニャ』より「村の楽士と落穂拾いの女たち」
深尾由美子/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週からは、レイナルド・アーンとほぼ同時代の作曲家、デオダ・ド・セヴラックを取り上げます。
印象派の作曲家たちが時間を切り取った風景を描くことが多かったのに対し、ド・セヴラックのこの作品では1日の時間の経過を表現しています。
日本では演奏されることの稀なド・セヴラックですが、しっかりとフランス音楽の系譜の中に位置し、注目に値する作曲家だと思います。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】デオダ・ド・セヴラック作曲 『市の立つ日、田舎屋敷では』
深尾由美子/ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
レイナルド・アーンは第一次世界大戦に従軍した後、FIGARO紙の音楽批評を担当、パリ・オペラ座の監督にも就任し、フランスのアカデミーの会員、レジオンドヌール勲章も叙勲するなどの功績があるにもかかわらず、そのフランス国内での社会的存在の高さは、残念ながら、日本ではあまり知られていません。
前回紹介した煌びやかで軽やかな作品を書く一方で、今回お届けする『クロリスに』のような擬古典的で厳格な形式でありながら抒情豊かな作風を失わず、気品の高さすら感じさせます。
蛇足ながら、アーンの歌曲のピアノ伴奏譜から推察して、アーンの手は、大きくて有名だったラフマニノフのように、かなり大きかったのではないか、とも思われるのですが…。如何でしょうか。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】レイナルド・アーン作曲 『クロリスに』
ヤニフ・ドール/カウンターテナー、ダン・ドイチュ /ピアノ
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
レイナルド・アーンは、外交官であるユダヤ系ドイツ人の父とバスク人の母との間に13番目の子供として、ベネズエラの首都カラカスで生まれました。3歳の時にフランスに移住し、11歳でフランス国立パリ音楽院に入学。13歳で有名な『私の詩に翼があったなら』を書いたほどの早熟の天才でした。
師匠のジュール・マスネのおかげで、パリのサロンで演奏する機会を得て、自らの曲を自らの美声で披露。生涯のパートナーとなる作家のマルセル・プルーストともそこで出会ったようです。
今回は、パリで活躍するソプラノ歌手の安田麻佑子さんがフランスのレーベルArties'sから2016年に発表したアルバム『Estampes』より、アーンの歌曲2曲を届けします。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】レイナルド・アーン作曲 『春』『リラの茂みのナイチンゲール』
安田麻佑子(ソプラノ)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ジュール・マスネの3回目となる今回は、歌劇『ウェルテル』を取り上げます。
原作はゲーテの『若きウェルテルの悩み』(1774年)で、当時ドイツの革新的文学運動「疾風怒濤」の代表作として知られますが、これに呼応するかのようなドラマティックな曲が『ウェルテル』にもみられます。
「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」は、ゲーテも愛読していたオシアンの詩に託して、片想いの相手のシャルロットにウェルテルが自分の気持ちを吐露する歌で、とても情熱的な曲です。
最後にウェルテルがピストル自殺を遂げてしまうこの『ウェルテル』は、家族向けの舞台を志向していたパリ・オペラ・コミック座での初演を拒否されましたが、ウィーン宮廷歌劇場がマスネの『マノン』の成功を聞きつけ、ドイツ語翻訳版で1892年にウィーンで初演。翌年パリ・オペラ座でフランス語版が上演、1903年の再演後に聴衆の心を掴み、1960年代までに1300回以上も上演されるヒット作となりました。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 『ウェルテル』より第3幕「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」
ジャン=クロード・カサドシュ/指揮 マルクス・ハドック /テノール リール国立管弦楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
今週も続けてジュール・マスネの楽曲をお届けします。
マスネは多作の作曲家で、未発表、未完のものも含め39曲のオペラ、オペラ・コミック作品を書いたと言われています。その中でも、もっとも有名なオペラ『タイス』の第ニ幕への間奏曲がこの『瞑想曲』です。
甘美なメロディの中に劇的な効果が感じ取れるのは、巧みな転調のおかげでしょうか。倚音(いおん)という装飾的な音を巧みに低音に使用することで、マスネの特徴的な音の広がりが生まれます。
そのほか、指揮者の始まりとなったと言われる、ルイ14世時代の宮廷楽長リュリについてのエピソードにも触れられています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 『タイスの瞑想曲』
ジョルジ・シェルメツィ/指揮 ヤーノシュ・シェルメツィ/ヴァイオリン カメラータ・トランシルヴァニカ/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ジュール・マスネ作曲『絵のような風景』の4回目、第1曲の行進曲をお届けします。
マスネといえば、オペラの作曲家という印象が強いですが、初期のうちに作曲した管弦楽曲の旋律は、歌詞をつけるとそのままオペラのアリアに出来るような華麗なものです。
11歳でパリ高等音楽院に入学し、サン=サーンスやマスネの教えを受けたからでしょうか、和声や対位法をしっかり身につけていて、独特の安定感がある一方、曲の風景を一瞬にして変える技法も持ち合わせています。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 組曲第4番『絵のような風景』第1曲 行進曲
ジャン=イヴ・オッソンス/指揮 ニュージーランド交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
ジュール・マスネ作曲『絵のような風景』の3回目です。
この組曲の第2曲目はどこまでも軽やかです。「舞踏曲」とありますが、バレエというよりは無言劇を彷彿とさせるようなサウンドです。
スコアにトライアングルの「ソロ」とわざわざ書いてあるのは、ソリストとしての「やる気」を引き出すためなのでしょうか…。
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【出演】中田昌樹(指揮者)
【演奏】ジュール・マスネ作曲 組曲第4番『絵のような風景』第2曲 舞曲
ジャン=イヴ・オッソンス/指揮 ニュージーランド交響楽団/演奏
イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行
【提供】笹川日仏財団
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