♪第77話:CMSLの現在の運営状況について…トワ・レア・美里からコンテンツに関するご説明みなさん、お久しぶりです!
CMSLシンフォニックオーケストラの首席指揮者アンドウトワです、コンサートマスターの風華レアです、ピアニストの永井美里です。
トワ:いやぁ、本当にお久しぶりになってしまいました。前回の番組がたしか6月の終わりでしたから、実に4か月ぶりのごあいさつになります。
レア:まずはそのことについてのご説明が必要ですね。あと、最近の動画コンテンツの内容に関しても。
美里:ええ、実はこうした活動の展開については、すべて私が言い出したことがきっかけなんです。CMSLのオケがスタートしてちょうど1年半ほどになるんですけど、正直なところ運営状況は決して芳しいものとは言えません。
私は会社社長の娘なのである程度はその方面に関する知識もあるんですが、企業経営の観点から見ると現状のCMSLは破綻寸前です。一時は持ち直した感もありましたけど、その後の業績は横ばいで上昇の兆しも見えません。
トワ:オケは何かと費用がかかるからね。楽団員やスタッフのお給料、演奏会場やリハーサル室の費用、それにスコアや楽器の設備などあげだしたらキリがない。
美里:はい、それでなんとかその状況を打破しようと最初に提案したのが映像コンテンツの強化です。今はYouTubeやTikTok、インスタグラムなどとにかく視覚にうったえるコンテンツが主流で、私たちもそうした世情に合わせる必要があると思ったんです。
トワ:去年の暮れ頃から演奏動画のコンテンツには力を入れてきたよね。これは効果なかったんだ?
美里:まったく無いとは言えないですけど、期待したほどの反響はありませんでした。ただ映像を流せばいいというわけではないようです。
レア:それで次の展開が始まったんですよね。今も続いているポップスへのアプローチ。
美里:これも私からの提案で、ただ漫然とクラシックだけを演奏して新しいファンを待つよりも、こちらから向こうの懐に飛び込んで、クラシックにも関心を持っていただく必要があると思ったんです。
トワ:だからって、まさか自分たちが洋楽とかK-POPを歌ったりダンスすることになるとは夢にも思わなかったわ。最初に話を聴いた時、「えっ、冗談でしょ?」って思わず言っちゃったもん。
美里:そうでしたね。私もこれを思いついた時に初めは考えを打ち消したんですけど、他に色々と手を考えてもやっぱりこれしかないって思ったんです。
レア:私も初めてお話を聴いた時は驚きました。でもまぁそういうのもアリなんじゃないかと思いました。うちのオケはK-POPとかダンスが好きな人も多いですし、やってみたら案外面白いかもって。
トワ:でもたしかCMSLにはK-POP部門もあって、今年の初めに練習生たちをご紹介してたじゃない。あれはどうなったの?
美里:ええ、たしかにそのプロジェクトはあったんですが、そのあと思ったような進展がなくて…。現在はほとんど頓挫した状態です。
トワ:そうなんだ、でもだから代わりに私たちがっていうのも話が飛躍してるよね?
美里:そうですよね…、でもどうせやるならある程度は顔の知れた私たちがやった方が、効果があるんじゃないかっていう思いもあったんです。とにかくもっと若い方たちにもクラシックに興味を持ってほしいという思いが強かったです。CMSL運営の現状を打破する鍵は、普段はクラシックを聴かないような若いファン層の獲得にあると思っています。
レア:たしかに、コンサートを開いても通常は若い方々の姿はあまり見かけないですよね。この前テレビでベルリンフィルのサマーコンサートを見ていたら、屋外の会場で若いファンやカップルもたくさんいて、ピクニック感覚でコンサートを楽しんでました。あれ見て「いいな~、日本もああならないかなぁ」ってうらやましくなりました。
トワ:最後は観客が演奏に合わせて指笛吹いたりね。芝生の上に寝転んだ人もいたりで凄くリラックスしてるよね。日本じゃちょっと考えられないかなぁ。
美里:私ももっとそんな風に日本でも気軽にクラシックに親しんでもらうのが夢です。今は何だか堅苦しくて若い人たちが入り込めないような空気感があると思います。
トワ:たしかに、「音楽」じゃなくて「音学」になっちゃってる感はあるよね。モーツァルトだって「音楽は楽しくなければなりません」って言ってるのに。
レア:まぁそんなこんなで私たちがダンスやボーカルに取り組み始めたのは6月からでしたっけ? あれから楽器の練習そっちのけで、ひたすら歌とかダンスの練習に励んでいました。
トワ:夏のとんでもなく暑い最中、「なんで私たちがこんなことやらなきゃいけないの?」ってブツブツ言いながら、「まぁこれもいい経験」と自分に言い聞かせつつ、汗をかきかきひたすらレッスンに打ち込んでました。
レア:でもトワさんは指揮者だから、指揮台でのパフォーマンスとダンスには共通する部分もあるんじゃないですか? お客様にいかに見栄え良く姿をお見せするかという点で。
トワ:まぁこじつければね。でもたしかに指揮者は楽器の演奏をしない分、きれいな指揮姿をお見せするのは大事だと思ってる。恥ずかしいけどこっそり鏡の前でひとりで練習したりしてるよ。
美里:みなさんのおかげでダンス・ボーカルコンテンツも徐々に増えてきて、今は少しずつ反響も出始めているところです。レッスンは6月からでしたけど、映像コンテンツの公開は10月に入ってからなので、結果を判断するにはもう少し時間が必要という感じです。年内は今のまま続けて年明けぐらいには効果の有無を判断して、今後の展開を考えたいと思っています。
トワ:いずれにしても、また元のクラシックメインに戻るんでしょ? 私たちはクラシックの演奏家だし、来てくださる方たちもクラシックファンがメインなんだから。
美里:はい、もちろんです。ただ、ポップスを完全にやめてしまうんではなくて、程よくバランスを取りながら両者を並行してやっていけたらと思っています。
トワ:ポップスは別のサイトでやるのは無理なの?
美里:それも考えたんですが、それだとポップスはポップス、クラシックはクラシックにファンがわかれてしまって、「ポップスが好きな若者をクラシックの側に取り込む」という目的が達成できないと思うんです。だからあえてひとつのサイトで両方が観れるようにしています。
トワ:そうなんだ。あと、ポップスをクラシックスタイルで演奏するのはどうなの? オケでもヴァイオリン、ピアノソロとかでもいいけど。
美里:ポップスをヴァイオリンとピアノで演奏するのは「サトレア」というユニット名でレアちゃんと私で何曲かやってきました。もちろん、トワさんが指揮するオーケストラで演奏するのも充分アリだと思います。
レア:ジョン・ウィリアムスの「E.T.」とか「スターウォーズ」はどっちなんでしょうね? ポップスのようなクラシックのような…。
トワ:去年のサイトウキネンでの客演指揮とか見ると、もうほとんどクラシックの範疇に考えられてるような感じだったね。実際、ジョン・ウィリアムスはベルリンフィルやウィーンフィルでも自作を指揮してるよ。
レア:そうなんですか、じゃあホルストの「惑星」みたいなものですかね? あっ、あれは完全なクラシックか。
美里:ジョン・ウィリアムスも時が経てばホルストみたいにクラシック作曲家として認められていくのかもしれないよね。じゃ、まぁ長くなったんでこの辺でひと区切りとしましょうか?
トワ:そうね。そういうことで、純粋にクラシックを聴きたいファンの皆様にはご迷惑になると思うんですが、すべては最終的に若い新たなファン層を獲得するためということでご理解いただけたらと思います。
美里:あと、私たちは音楽のジャンルへのこだわりはなく「いいものはいい」という感覚で音楽に接している者がほとんどです。ジャンルの垣根を越えて、もっと自由に音楽を楽しめる環境ができたらいいと心から願っています。
レア:みなさん、もっと気軽に「音楽」を楽しみましょう!
トワ:それでは今日はこの辺で! お届けするジョン・ウィリアムスの2曲は今年の春先にレコーディングした音源です。まだ他にも録音済みの音源がいくつもあるので、そちらも順次公開していく予定です。楽しみにお待ちください。
ジョン・ウィリアムズ:映画「E.T.」のテーマ / アンドウトワ指揮 CMSL シンフォニックオーケストラ ジョン・ウィリアムズ:映画「E.T.」のテーマ [2024]
John:Williams:The Flying Theme from E.T. [10:38]
John:Williams:The Flying Theme from E.T.
ジョン・ウィリアムズ:映画「スターウォーズ」のテーマ [2024]
John:Williams:Main Title from Star Wars [6:08]
John:Williams:Main Title from E.T.
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