- 7 minutes 57 seconds株式市場は勢いを持続できるか
米国の主な株価指数がここ数週間で急反発しています。強気相場の継続を下支えする可能性のあるファンダメンタルズについて、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが解説します。
トランスクリプト
市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日は最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、株価がこれほど上昇した後でも強気な見方を維持している理由についてお話しします。
このエピソードは4月27日 にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
テクニカルな観点から見るなら、米国株式市場は史上最大級の劇的な反発を経験したばかりだと言えるでしょう。何しろ、売られすぎの領域から買われすぎの領域へ、わずか12日間で駆け上がっているのです。いろいろな方々とお話しましたが、この動きの速さから当面の値動きが心配だとおっしゃる方もおられました。ですが、これはいつものことです。相場というものは、ひとたび動くと決めたら誰のことも待たずに動きます。
弊社が見る限り、この動きは去年 昨年と似ているように思われます。1年前には多くの投資家が、関税率引き上げの影響について考えを巡らせていましたが、今はそのときと同じように、コモディティ価格の上昇がインフレに及ぼすインパクトについて頭を悩ませています。たしかに、多くの企業が今後、川下に及ぶインパクトを一足遅れて感じることになるでしょう。ですが弊社では、株価指数や多くの業種はそうした懸念によるダメージをすでに十分受けたとみています。言い換えれば、株式市場は単にリスクを見越しただけでなく、株価に織り込んだのです。
まず、企業業績の見通しがかなり改善しています。向こう12ヵ月の増益率見通しは、1年前にはわずか9%でしたが、足元では25%に近づいています。また、成長するのは一握りの銘柄だけだと多くの評論家がコメントしているのをいまだに耳にします。大型株の比重が大きいS&P500種株価指数については、数学的にはそれももっともな指摘でしょう。ですがそれでは、予想増益率のメジアン(中央値)や小型株の予想増益率も2桁の領域にしっかり入っていることが認識されないことになります。
この調子は、景気がローリング・リセッションを経験していた3~4年間のそれとはかなり異なっています。また、弊社が1年前に提唱したローリング・リカバリー拡大説を裏付けてもいます。足元の第1四半期決算発表シーズンにおいて、1株利益が市場予想を上回った比率を指す「上振れ率」は、全体でみれば今のところ10%に達しています。これは長期平均の2倍にあたる値です。それ以上に重要なのは、第2四半期と向こう12ヵ月間の会社側ガイダンスがさらに2~3%引き上げられていることです。
利益の上振れ率とガイダンスのほかにも、弊社では設備投資のガイダンス、そして価格決定力を示唆する現象を注視しています。弊社は2026年に入るにあたり、今年は3つの追い風を受けて設備投資サイクルが勢いづくだろうと考えていました。1つ目は好調な利益とキャッシュフローです。これらは設備投資と相関関係にあることが多いためです。2つ目はBBB(大きくて美しい法案)による税制優遇。3つ目はAIの拡大と製造業のリショアリングを受けた力強い需要です。
この面においては、弊社の見解を支持する兆候がすでに見られます。設備投資額伸び率のメジアンはほぼ10%に達していますし、弊社のファクター分析も、高水準の投資を行う銘柄に市場が報いていることを示し続けています。5月、6月と時間が経過してもこうしたトレンドが継続していくことが重要です。ハイパースケーラーの決算発表が予定されている今週などは、特にそうです。
ポイントはもうひとつあります。イラン紛争の悪影響で川下部門のコストが増大しうることから、弊社では企業の価格決定力と売上高の耐久性が維持されているかを確かめたいと考えています。これらについても、指標は今のところ、弊社の見方を裏付けています。たとえばS&P500指数の売上高サプライズは平均を大きく上回り、2%近くに達しています。
最後になりますが、以前のポッドキャストでも指摘しましたように、市場が最後に乗り越えるべきハードルのひとつに、米連邦準備制度理事会(FRB)のスタンスが先日タカ派に転じたことが挙げられます。これは石油価格の上昇と、リーダーがジェイ・パウエル氏からケビン・ウォーシュ氏に代わることを受けたものです。
ケビン・ウォーシュ氏は先週、議会上院の指名公聴会に臨みました。そこでは、インフレのリスクが解消されていないことを指摘し、早期の利下げにいくらか慎重な姿勢を見せていました。また、FRBは昔から自らのバランスシートを用いて市場や景気に介入することを厭わないが、その介入が積極的すぎるという、定評ある批判も繰り返しました。
FRB議長が交代するときには、市場の側に一定の学習期間が必要になるのが通例です。新議長の決意を試したり、コミュニケーション・スタイルの解釈の仕方を理解したりする期間のことです。今回もその点に変わりはないはずですし、短期的には、債券市場のボラティリティが短期間ながら急上昇したり資金市場にストレスが加わったりすることで、株式相場がいくらか調整する場合があるかもしれません。
私自身は、財務省もFRBも最終的にはこうしたリスクを管理できるだろうし、強気相場は維持されるだろうとみています。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
27 April 2026, 7:00 am - 6 minutes 14 secondsウォーシュ氏のFRB改革計画
トランプ大統領が次期FRB議長に指名したケビン・ウォーシュ氏が、4月21日に上院で証言しました。弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、2時間半にわたる証言の重要なポイントを解説します。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日のエピソードは、弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツがお届けします。次期FRB議長候補について、まずは全体像を見ていきます。
このエピソードは4月24日にニューヨークにて収録されたものです。
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金融市場が一度に複数のストーリーを追うことに苦労する場面は少なくありません。今回は、まさにその限界にさしかかっています。一方では、イランをめぐる情勢によって、世界のエネルギー市場で歴史的な混乱が続いています。もう一方では、企業の積極姿勢や活動の兆しから、この混乱が収束すれば、さらに大きな景気拡大につながる可能性が示唆されています。
M&A、設備投資、融資の伸び、そして利益成長はいずれも力強く、加速しています。そうした状況に、第三のストーリーとしてFRBが加わります。実際、イラン情勢も投資ブームも、中央銀行がこうした要因にどう反応すべきかという現実的な問いを投げかけています。
例えば、原油価格がさらに急騰した場合、中央銀行は、その後に起こり得るインフレに対抗するために利上げすべきでしょうか。それとも、原油高が景気を押し下げる可能性があるため、利下げすべきでしょうか。では、企業の積極姿勢についてはどうでしょう。企業の攻めの姿勢が強まる中で、FRBは市場の熱気を冷ますために利上げをして、景気が一段と過熱するのを避けるべきでしょうか。あるいは、投資が供給の拡大につながり、実際には物価を押し下げ、利下げを正当化するかもしれません。
こうした問いはFRB、とりわけ、トランプ大統領から次期FRB議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏に重くのしかかることになります。今週、議長就任に向けた承認手続きの一環としてウォーシュ氏は上院で証言し、同氏の現在の考えについて、これまでで最も詳しい洞察が提供されました。
特に印象的だった点は、二つあります。第一に、ウォーシュ氏は、AIとテクノロジーへの歴史的な投資ブームが、生産性を押し上げる可能性が高いと考えています。他の条件が同じなら、生産性が上がれば、同じ人数の労働者で、より多くの財やサービスを供給できることになり、供給が増える分、相対的に物価は低くなり、インフレも抑えられます。投資による生産性向上への信頼こそが、足元のインフレ率が高くとも、利下げが可能と考える根拠になっています。
第二に、ウォーシュ氏は、バランスシートの過度の拡大から、コロナ禍後のインフレ抑制策の遅れまで、FRBが「道を見失った」と述べて批判しました。また、インフレ予測の手法、資産の運用管理、そして政策コミュニケーションのあり方などを含む、大幅な改革案を示しました。
ただし、次期FRB議長が直面する課題としては、経済面と同じくらい、人的側面も重要になるでしょう。FRBの意思決定は多数決で行われます。ウォーシュ氏は、テクノロジー分野で進む歴史的な投資サイクルがインフレを押し下げるという点に強い確信を持っているかもしれませんが、足元のインフレ指標がやや高めの局面で、他のメンバーもその見解に納得するでしょうか。さらに、ここ数年のFRBの対応を批判したことは、当時の政策運営に関わっていた同僚の支持を得るうえで、障害になるのでしょうか。それとも、新風を吹き込み、FRBが新たに出直すチャンスにつながるとして歓迎されるのでしょうか。
交代のタイミングが不透明であること、そして政策が依然として委員会次第であることを踏まえると、目先は市場が引き続き他の要因に注目するなか、FRBの政策も今のところは比較的小幅な変更にとどまる可能性が高いと弊社は見ています。ただし、引き続き注視する価値は十分にあります。
1979年以降、米国の中央銀行を率いるこの重要な役職を務めたのは、わずか5人です。まもなく6人目が誕生するかもしれません。
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24 April 2026, 7:00 am - 8 minutes投資テーマの交差が生む、市場をアウトパフォームする機会
弊社テーマ別リサーチおよびサステナビリティリサーチ・グローバル責任者のスティーブン・バードが、2026年の主要な投資テーマがこれまで以上に相互につながり合い、投資リターンを創出している状況についてお話しします。
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市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
今日のエピソードでは、弊社テーマ別リサーチおよびサステナビリティリサーチ・グローバル責任者のスティーブン・バードが登場します。弊社が示した10の大きなテーマ予測がどのように実現し、世界の市場を動かしているのかを解説します。
このエピソードは4月20日にニューヨークにて収録されたものです。
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1月に弊社は、AIとテクノロジーの普及、エネルギーの未来、多極化する世界、そして社会の変化という4つの重要なテーマを提示しました。さらに、2026年を形作る力について、具体的に10のテーマ予測も示しました。驚くべきことに、この短い期間のうちに環境が実に急速に変わり、これらのトレンドは極めて大きな存在感を持つようになりました。
さらに際立つのは、こうした巨大な長期トレンドが1つに収束しようとしていることです。AIは、コンピューティング能力と電力に対するかつてない需要を生み出しています。エネルギーは各国にとって戦略上の優先課題になりつつあります。そして地政学は、その両方へのアクセスを左右しています。
では、最も重要な進展から始めましょう。AIの加速です。大規模言語モデルの開発が大きく前進することは想定していましたが、実際に起きているのは能力が劇的に飛躍する「ステップチェンジ」です。これが、コンピューティング能力に対する需要の異例の急拡大を牽引しています。世界のAI利用は週次ベースで急増しています。弊社は1週間に使われるトークン数で利用状況を測定しています。トークンは、テキストの最小単位を表すもので、コンピューティング需要を測る一般的な指標です。そのトークン利用量は、1月上旬以降、およそ約250%増え、1週間当たり6兆4,000億トークンから22兆7,000億トークンへと拡大しました。その結果、コンピューティング需要が供給を上回るようになりました。これは2026年を代表する投資ストーリーの1つで、弊社はこの投資機会の周辺に、アルファ創出の余地が多くあると見ています。
同時に、AIは労働市場も作り変えています。弊社の推計によれば、AIによる自動化または能力拡張が全職種の90%に影響を及ぼすと見られます。つまり、ほぼすべての仕事が何らかの影響を受けるということです。ただし、その影響は「0か1か」といった単純なものではありません。
そこで弊社は最近、AI導入の影響が最も大きいと考えられる5つのセクターについて、雇用への影響を評価しました。全体としては雇用が4%減ると予想され、その内訳は、職務そのものの廃止が11%、補充されないポジションが12%と見られる一方で、新規採用が18%あり、一部が相殺されます。つまり本質的には「変革」です。AIは、仕事の進め方を変え、単に雇用を代替するのではなく、役割そのものを再構築しています。
しかし、AIは何もないところでは作動しません。エネルギーを必要とします。これが1月以降の2つ目の大きな変化です。弊社は現在、世界のデータセンターの電力需要が2028年までにおよそ約130ギガワット増える可能性があると見ています。さらに米国では、その成長を支えるのに必要な電力供給能力が10~20%不足する恐れがあります。
これが、「エネルギーの未来」が極めて中心的なテーマである理由です。AIの成長は、利用可能なエネルギーの量、コスト、インフラに直結しており、加えて各国の政策との結びつきが強まっています。
そこで、三つ目の重要な展開が、地政学です。弊社もイランの紛争は想定していませんでしたが、供給の途絶が世界のエネルギーシステム全体に波及するなど、エネルギー市場に大きな影響を与えています。さらに視野を広げると、各国が自給自足を志向する動きが世界的に強まっています。これは、エネルギー、重要鉱物、テクノロジーといった分野で、今後何年にもわたり大きな推進力になるでしょう。これは、各国が主要な経済的投入要素の支配を優先する「多極化する世界」という弊社が提示したテーマとも明確に一致します。このシフトは、今年だけでなく、その先も長く市場を動かす主要な要因になる見込みです。
こうした大きな構造的な力は、すでにパフォーマンスにも表れています。弊社が主要テーマに沿って構築したカテゴリーは、2025年に平均で38%上昇し、S&P500を27%ポイント アウトパフォームしました。2026年も年初来で、12%ポイント アウトパフォームしています。最も堅調な領域は、まさにこうした力学を反映しています。すなわち、AIインフラ、エネルギー安全保障、防衛、ヘルスケア、そしてヒューマノイド・ロボティクスのような新興分野です。
では、弊社の予測を改めて見直して得られる教訓は何でしょうか。2026年に起きている最大の変化は、それぞれが単独で進むのではなく、主要テーマが交差する場所で生まれているという点です。AI、エネルギー、地政学は、もはや別々のストーリーではありません。いまや相互に深く結びついた力として、世界経済を形作っています。そして、その交差点を理解することが、今後何年にもわたって市場を理解し、アルファを生み出す鍵になるでしょう。
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20 April 2026, 7:00 am - 7 minutes 7 secondsGLP-1薬成長の真の原動力
体重管理療法がこのところ急速に取り入れられていることは、医療はもとより消費者行動、さらにはグローバル市場にも影響を及ぼす可能性があります。弊社米国医薬品・バイオテクノロジー責任者のテレンス・フリンがご説明します。
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本日は米国医薬品・バイオテクノロジー責任者のテレンス・フリンが、肥満症治療薬の次の成長局面、「GLP-1アンロック」すなわちGLP-1の解放についてお話しします。
このエピソードは、4月17日にニューヨークにて収録されたものです。
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医療の分野にはイノベーション、政策、そして患者の需要のすべてがひとつに収束する時期があります。そして収束するときのインパクトは医薬品にとどまらず、遠く離れたほかの分野にも及ぶことがあります。弊社では、肥満症治療薬「GLP-1薬」を用いる治療法がそのような時期に入っているとみています。弊社の推計によれば、肥満・糖尿病患者向けの肥満症治療薬の市場はピーク時で1900億ドル前後に達する可能性があります。以前の予想よりもかなり大きな数字ですが、これは市場が導入初期からより幅広くスケーラブルな拡大が見込める局面にシフトしたことの反映です。
GLP-1薬はここ2、3年で注目度が著しく高まっているものの、実際の普及率はまだ比較的低いのが実情です。治療に適した肥満症患者のうち、実際にGLP-1薬で今日治療を受けている患者の割合は、米国ではおよそ6%にすぎず、米国外ではわずか2%にとどまっています。したがって、これまでの成長は大幅ではあるものの、実はまだ初期段階なのです。だからこそ、今は非常に重要な時期だと言えます。
では、導入の次の局面を後押しする5つの原動力を見ていきましょう。
1番目は経口薬への移行です。体重管理療法は昔から注射薬で行われており、それが普及の制約になっています。しかし、飲み薬という新たな選択肢により、状況は変わりつつあります。特に、経口GLP-1薬利用者の80%弱は経口薬に初めて切り替えた患者であり、市場が今後実際に拡大してゆくことが示唆されます。
2番目の原動力は、メディケアを通じた利用機会の拡大です。米国の新たな枠組みでは、肥満症治療薬を利用できる機会が数千万人に上る高齢の患者に開かれます。自己負担額は月当たり50ドル前後にとどまる可能性があるようです。これは重大な変化です。肥満症治療薬の利用が大幅に拡大するかもしれません。
3番目は、薬価の引き下げと保険適用の拡大です。これらはすでに進行中で、患者の自己負担額の平均は 去年昨年の170ドルから120ドル前後に低下しています。また同時に、肥満症治療費の雇用主負担の割合も、去年 昨年の50%弱から およそ約65%に2027年までに引き上げられる見通しです。
4番目はグローバルな利用拡大です。米国外では、利用量は価格に比較的敏感なのですが、市場としての機会は巨大です。コストが下がり、かつ保険で利用しやすくなるにつれ、とりわけ中国やブラジルなどで導入が加速すると思われます、
5つ目の理由は、減量を超越するイノベーションです。今日では、体重管理療法を心血管疾患や腎臓病、さらには炎症や神経障害といったほかの病気や体調不良の改善に利用する研究がますます行われるようになっています。肥満症治療薬で対応可能な市場が、今後さらに拡大する可能性があるのです。
では、GLP-1薬市場はどこまで拡大する可能性があるのでしょうか。世界全体でいえば、GLP-1薬での治療に適した患者の数はおよそ13億人だと弊社では推計しています。そして弊社のシナリオの基本ケースでは、このうちのおよそ12%が2035年までに治療を受けるとともに、米国での普及率はおよそ約30%になると想定しています。するとこのレベルにおいてさえ、市場規模は1900億ドルになると試算されます。強気ケースでは、 およそ 約2400億ドルに達する可能性もあります。
しかし、この話は医療だけでは終わりません。弊社推計によれば、GLP-1薬の導入は米国のカロリー消費を2035年までに[6] およそ約1.6%減らす可能性があります。わずかな比率に聞こえるかもしれませんが、数量で考えれば大変な影響があります。消費者行動はもとより、食品、小売り、医療サービスといった産業にまで波及することになるでしょう。
そうです。これが「GLP-1アンロック」です。私たちは今、経口薬、利用機会の拡大、継続中のイノベーションという3つの原動力により、ひとつの大きな転換点に接近しつつあります。治療に適した患者のうち、実際に治療を受けている人の割合はまだ小さく、成長の余地はかなりあります。本質的には、これは慢性疾患の治療法とそれによる市場の再編という、長期的な構造変化なのです。
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17 April 2026, 7:00 am - 5 minutes 54 seconds市場が注目するハンガリーの政治的変化
弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、ハンガリーの選挙におけるペーテル・マジャール氏の勝利が、EUとの関係改善および、同国資産のリスク・プレミアム低下をもたらす可能性について解説します。
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「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日のエピソードは、債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが登場します。最近ハンガリーで行われた選挙が市場に与え得る影響についての考察をお話します。
このエピソードは、4月16日にロンドンにて収録されたものです。
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ハンガリーの人口は、ニュージャージー州とほぼ同じくらいです。にもかかわらず、先週末行われた同国の選挙は全世界の注目を集めました。選挙では、2010年から首相を務めてきたビクトル・オルバン氏の政党と、かつての与党関係者からライバルへと転じたペーテル・マジャール氏が争いました。
この投票は世界的に重要視され、そしてハンガリーの将来と欧州における立ち位置を問う国民投票とも見なされました。このため、事態を極めて重く見た米国の副大統領がオルバン氏の応援に駆けつけたほどでした。
争点の一つは、ハンガリーと、欧州の政治・経済のより広い枠組みとの関係でした。ハンガリーは2004年から欧州連合に加盟していますが、オルバン政権下ではしばしばEUと対立してきました。これは欧州全体に影響します。というのも、制裁の発動、防衛政策、加盟国拡大といった重要な手続きの多くは加盟国の全ての承認が必要だからです。ハンガリーに限らず、いずれの一国でも反対票があれば、極めて大きな混乱を招く可能性があります。
今月、欧州委員会の委員長は、投票制度の変更を進め、人口規模との連動を強める案を提起しました。ただし、ここには一つ問題があります。この変更自体も、全加盟国の賛成が必要なのです。
では選挙の話に戻りましょう。結果は野党の圧勝で、ペーテル・マジャール氏の政党は国民議会199議席のうち138議席を獲得しました。2010年以来初となる今回の政権交代と、議席数の大差は、欧州にとって地政学的に重要な影響を及ぼすと予想されます。ただし、このポッドキャストは市場に焦点を絞ったポッドキャストですので、市場に注目して見ていきます。
まず、ハンガリーで新たな政権が誕生すれば、EUとの関係が改善する可能性があります。そうなれば資金の流入につながる可能性があります。新政権の政策目標の一つである、凍結されているEU復興・強靭化基金の拠出再開が実現すれば、ハンガリーの潜在GDP成長率は1.0~1.5%程度高まる可能性があると弊社エコノミストは試算しています。さらに新政権は、単一通貨ユーロを導入する計画も提案しています。
これら2つの展開は、ハンガリー資産に織り込まれているリスク・プレミアムの低下に寄与する可能性があります。投票後、ハンガリーの金利は低下し、通貨は上昇しましたが、弊社ストラテジストは、どちらもさらに動く余地があるとみており、金利はさらに0.5~1.0%の低下、通貨はさらに2~4%の上昇の余地があると考えています。また、ハンガリー株式市場は世界全体から見るとかなり小規模ですが、弊社ストラテジストはこの市場を選好しており、オーバーウェイトとしています。
ハンガリーの今回の選挙は、世界の注目を集めました。まだ未知数の部分が多く残っていますが、欧州の他の国々との関係がより円滑になる見通しは、ハンガリーの資産にとっても、EU全体にとってもプラス材料です。
ただし、エネルギーを巡る不確実性、相対的な企業利益、相対的な金融政策といった別の理由から、弊社は引き続き、欧州株や欧州国債よりも、米国株と米国債を選好しています。それでも、欧州の中長期的に注視すべき重要なストーリーという点は、間違いないと考えています。
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16 April 2026, 7:00 am - 8 minutes 13 seconds市場反発の証拠が積み上がっている
弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、先行き不透明感が続くなかでも、投資家は株式市場の回復に備えた体勢で臨むべきだと考える理由を解説します。
トランスクリプト
市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
今日のエピソードは、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンがお送りします。株式投資家は、ときには、ニュースの見出しからいったん目を離す必要がある理由についてお話しします。
このエピソードは4月13日 にニューヨークにて収録されたものです。
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今日は、いま多くの投資家が悩んでいると私が考えること、つまり「タイミング」についてお話ししたいと思います。私が話をした多くの人は、今も市場が脆弱だと感じています。地政学的要因、中央銀行、原油…何もかもが不透明です。しかし、市場の実際のふるまい方、すなわち、市場から受ける感触ではなく、市場が物語るものを見ると、まったく違う結論に至ります。今回の調整局面は、多くの人が考えている以上に、進行しています。
実際、この2週間ほどで、S&P500は大きく反発してきました。弊社が注目してきた重要な6,300~6,500のレンジを維持したあと、安値から およそ 約7%上昇しています。私には、これが偶然とは思えません。市場が危険な状態が去ったことを知らせる前に、底を固めているのです。視野を広げて見ると、私の大局的な見方は変わっていません。
2022年から2025年にかけて続いたローリング・リセッションが終わったあと、去年昨年4月に始まった新たな強気相場が続いているとの私の考えに変わりはありません。今回の調整は、そのサイクルの一部であって、終わりではありません。そして重要なことに、厳しい調整の多くはすでに終わっています。
バリュエーションは大幅に圧縮されています。予想ベースのPERは、ピークから底に達するまでにおよそ約18%低下しました。さらに水面下では、半数を超える銘柄が20%以上下落しています。つまり、戦争であれ、プライベートクレジットへの懸念であれ、AIによるディスラプションであれ、多くのリスクは、すでに市場に織り込み済みとなっています。
その一方で、企業利益は逆方向に動いています。実績ベースの利益成長率は15%前後、予想利益の成長率は20%を超える水準です。このようにマルチプルが低下する一方で利益が伸びるという組み合わせは、典型的な強気相場における調整局面の振る舞いです。弱気相場ではありません。多くの投資家が現在の環境を読み違えていると私が考える理由がここにあります。
これが特に明確であると私が考える分野の一つが、エネルギーです。値動きを見ると、エネルギー株は相対ベースではすでにピークを付けたように見えます。これはしばしば、基礎となるコモディティ、つまりこの場合は原油も、ピークを付けつつあるか、少なくとも安定しつつあることを示すサインです。
そして、現在のボラティリティを本当に左右していると私が考える要因、すなわち金利の話になります。
現在、株式と利回りが負の相関関係にある環境が復活しています。つまり、金利上昇は再び株価の逆風になっており、インフレを重視する中央銀行の最近のタカ派的なトーンが、金融環境を引き締めています。私が見たところ、これが最後のハードルです。戦争でも、原油でもなく、金融政策です。そして興味深いことに、金融環境の引き締まりは、最終的には中央銀行に政策転換を迫るものでもあります。したがって、今日の不安を生んでいる要因そのものが、明日の安堵感につながる要因となる可能性があります。
では、今回の調整が終盤にあるのだとすれば、次の問いは「どうポジションを取るか」です。引き続き「バーベル戦略」であると私は考えます。一方には、金融、資本財、一般消費財といった景気敏感株があります。依然、利益は堅調で、バリュエーションもリセットされています。もう一方には、ハイパースケーラーを筆頭とするクオリティ・グロースがあります。センチメントはすでに大きく冷え込みましたが、ファンダメンタルズは損なわれていません。この組み合わせは、安値からの局面でこれまでうまく機能してきましたし、今後も引き続き理にかなっていると考えます。
さらに視野を広げると、もう一つ大きなテーマも進行しています。それは経済のリバランスです。弊社が去年昨年11月に公表した2026年の見通しでも中核的 なテーマとして検討しました。成長が、公的部門から民間部門へシフトしているという、明確な証拠が見え始めています。民間部門の雇用は強まり、設備投資は上向いており、企業は足元の不確実性が構造的なものではなく、一時的なものであるかのように行動しています。つまり、このローリング・リカバリーは、順調に進んでいるのです。
同時に、少なくとも短期的には、AIはディスラプションというよりも利益率の追い風として働いています。これは多くの産業で営業レバレッジを後押しします。こうした点はすべて、回復が本物であり、さらに伸びる余地があるという私の見方を補強しています。
これら全てを勘案した結論は次のようになります。
市場はすでに多くの悪材料を織り込んでいます。バリュエーションを調整し、ポジショニングをリセットし、市場リスクを吸収してきました。残るリスクは政策であり、金利と流動性の制限的な状態がどれだけ長く続くかです。しかし、市場は完全にリスクが払拭されるのを待ちません。先回りして動きます。
そこで、私からのアドバイスです。心配材料がさらに出てくる局面があれば、それを活用して、明白になる前に資金を投じるのです。市場は誰も待ってくれないからです。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
13 April 2026, 7:00 am - 6 minutes 44 seconds市場が発する矛盾したシグナルを理解する
エネルギーの世界市場が歴史的な混乱に見舞われているにもかかわらず、株式市場は底堅い展開が続いています。これについて弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツは、米国市場は当面堅調な歩みを示すかもしれないとみています。
トランスクリプト
市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日は債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、市場が発する矛盾したシグナルの解読を試みます。
このエピソードは4月10日 にロンドンにて収録されたものです。
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ある面で、事態は依然かなり深刻です。世界はまだ、誇張でもなんでもなく、歴史上最悪のグローバル・エネルギー市場の混乱のさなかにあります。世界の石油生産量の6分の1がホルムズ海峡の奥に閉じ込められていますし、近いうちに手元に届く石油の現物の価格、いわゆる「デイテッド・ブレント」はバレル当たり130ドルを超えています。今年の年初から2倍以上に跳ね上がった計算です。
しかし、市場はどうでしょうか。そう、米国の株式と債券の市場は年初とあまり変わらない水準にあります。変動幅は大きいものの、結局は元に戻るという展開なのです。相場をたまにしかチェックしない投資家なら、この週末にポートフォリオをざっと見て「2026年は本当に退屈な相場だな」と考え、テレビでマスターズ・トーナメントの続きを楽しんでも許されるかもしれません。
これはどう辻褄をあわせればよいのでしょうか。株式市場にとっては、2つの動きが重要です。第1に、石油価格の高騰にもかかわらず企業の、特に米国企業の業績見通しは引き上げられ続けています。あくまで見通しですので、外れるかもしれません。ですが、特にテクノロジー関連の投資が継続していることを背景に、アナリストは少しずつ楽観的になっています。
また、株式投資では基本的に将来が問題になります。足元の株価は今日から未来までの、そうですね、これから未来永劫獲得される利益のすべてを現在価値に引き直した値を反映しているはずです。そのため数学的には、長期的な見通しが上向きであれば、向こう3ヵ月間の見通しが、たとえばエネルギー市場の混乱のせいで下向きであっても、それほど問題にはなりません――あくまで数学的にはですが。
足元の債券市場はこれとは対照的で、相反する2つの非常に強い力に挟まれてしまっています。関税と石油を原因とするインフレ率の上昇は、債券市場の典型的な悪材料です。ところが経済成長が損なわれるリスクが高まれば、債券相場は好調になることが多いのです。
したがって、ここでカギになるのは、エネルギー・ショックが長引き、ついには中央銀行が足元で高まっているインフレ率よりもその後の経済成長失速のリスクのほうを重視せざるを得なくなる展開になるかどうかです。2026年は、市場の総合的な指標の変化が小さいにもかかわらず、これまでのところ少しも楽な年ではありません。弊社モルガン・スタンレーのデータからも、3月は株式ヘッジファンドにとって過去10年で2番目に悪い月だったことがうかがえます。そこで、ここではいくぶん謙虚に3つの点に着目してみます。
第1に、米国の株式と債券には、今のところは諸外国の株式や債券よりも有利な点があると弊社では考えています。米国企業の増益率は高めです。米国経済はエネルギー市場が変動しても比較的打撃を受けません。そして米国の中央銀行FRBは、経済成長にもっと弱さが出てくれば早めに利下げに踏み切る公算が大きい、と弊社ではみています。
第2に、債券市場は最終的には今よりも低い利回りの水準で落ち着くと弊社ではみています。中東の紛争の解決が早まればインフレのリスクは低下するでしょうし、エネルギー市場の混乱が長引けば経済成長の大きな重しになるからです。ある意味で中途半端な現在の金利水準は長続きしないように思われます。
第3に、ボラティリティが大きいときでも相対バリュエーションはやはり問題になりますし、興味深いこともまだ見受けられます。たとえばアジア地域のクレジット・スプレッドは、石油価格の高騰から受ける影響の大きさの割には、極めてタイトであるように思われます。そして対照的に、私の同僚マイク・ウィルソンが先日のこのプログラムで述べていたように、大型テクノロジー株は大幅に安くなっており、今では一般消費財・サービスセクターと同様なバリュエーションで売買されています。エネルギーへのエクスポージャーが低く、増益率もざっと3倍であるにもかかわらずです。
不確実な週末が再びめぐってきます。しかし、弊社ではこれを切り抜ける試みの一環として、米国市場を選好し、利回りの低下を予想し、かつ相対価値に的を絞り続けようとしています。
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10 April 2026, 7:00 am - 7 minutes 55 seconds原油価格急騰の真のリスク
供給要因によるオイルショックは、まずインフレとして表れます。しかし、モルガン・スタンレーのシニア・グローバルエコノミストのラジーブ・シバルは、投資家が理解すべきは成長、政策、そして市場への二次的な影響であるとして、その理由を解説します。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日のエピソードでは、弊社シニア・グローバルエコノミスト、ラジーブ・シバルが登場します。オイルショックによる経済的なリスクは、原油価格そのものではなく、その次に何が起きるかである点についてお話しします。
このエピソードは4月7日 にドバイにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
原油ショックの影響は、ガソリンスタンドで終わりません。インフレ、成長、中央銀行の政策、そして最終的には市場へと波及していきます。ここ数週間、弊社がお伝えしてきたとおり、今回はこれまでとは状況が違うかもしれません。単なる一時的な価格急騰ではない可能性があるからです。ホルムズ海峡の封鎖は、歴史的にも前例がありません。すでに1か月以上が経過しており、数四半期にわたって続く可能性がある供給ショックの影響に弊社は注目しています。事態は、さらに複雑なものへと発展する可能性があります。
足元は、インフレが上昇し、成長が鈍化するという、厄介な組み合わせになっており、しかもその順序は極めて重要です。モルガン・スタンレーでは、世界各地のエコノミストとストラテジストが連携し、原油価格がどのように推移するかについて、幅広いシナリオを検討しました。
仮にホルムズ海峡が迅速に再開されれば、原油価格はおそらく比較的すみやかに下落するでしょう。だからといって、原油ショックによる問題がすぐに解消するわけではありません。確かに原油価格そのものは、より早いペースで下落する可能性があります。逆に、完全な封鎖が続き、紛争がさらに激化する場合、原油価格はおそらく、はるかに大幅に上昇するでしょう。原油価格が1バレル125ドルを超える局面になると、通常は需要の破壊が始まります。つまり、価格が高すぎて、人々が原油の消費を減らさざるを得なくなる水準です。その場合、世界経済への影響は、はるかに劇的なものになるでしょう。
現在は、その中間のシナリオにあります。原油価格はここ数週間、1バレル100ドルから125ドルの間で推移しており、多くの中央銀行に、疑問や混乱、そしてモデル化の難しさをもたらしています。ここからは、世界の主要地域をいくつか取り上げ、足元で起きていることに各地域がどう反応しているのかを見ていきたいと思います。
アジアは少し特殊です。アジアは、中東情勢から最も大きな影響を受ける地域だからです。物理的な量で見ると、中東から出ていく石油・ガスの大半はアジアに向かいます。ただし、アジア諸国の多くには大きな緩衝材となる手段や備蓄があります。さらに財政政策も用いて、原油価格を補助したり、価格変動を抑えることで、消費者が極端なショックを受けないようにしています。
その結果として、アジアでは国によって対応が分かれています。どこまで支援を継続すべきかで苦慮している国もあれば、ホルムズ海峡封鎖によって物理的な供給量の確保が必要な国もあります。こうした事情から、中央銀行の政策に「まちまちの影響」を与え、インフレと成長への影響も一様ではありません。物価が速いペースで動き、経済成長も急速に影響を受けている国もあれば、影響が遅れて表われる国もあります。今後数四半期は、こうした強弱まちまちの状況が続くと弊社はみています。
ユーロ圏は、インフレの波及が非常に速いという点でアジアとは対照的です。過去の例では、インフレの反応は総合インフレ率だけでなく、コア部分も反応してきました。こうした点を踏まえ、ECBは、インフレ期待がアンカーを失うことを避けるため、近い将来に利上げを行う可能性が高いと示唆しています。現時点ではECBは、成長リスクよりもインフレのペースを重視しています。
これは、FRBとは対照的です。米国では実際のところ、原油の供給ショックがコアインフレを押し上げる度合いは、世界の多くの地域ほど大きくありません。総合インフレ率と個人消費には影響が及ぶものの、コア部分のインフレには必ずしも影響が表われるとは限りません。
ここで忘れてはならないのは、米国がサービス中心の経済である点です。そのためFRBは、コアインフレへの波及効果が他の諸国よりはるかに小さいことから、供給ショックの影響をある程度「一時的とみなしてその先を見る」とともに、成長を重視する可能性が高くなります。つまりFRBは、米国におけるインフレへの波及という物価のリスクよりも、ガソリン価格の上昇が成長に与えるリスクの方を、より強く意識しています。
これは世界の多くの地域とは全く対照的です。ただ、重要なのは、どの国、どの地域でも反応は異なるという点だと思います。原油の供給ショックでは、インフレが先行し、そのあとに成長が続きます。しかし、それが各国の国内経済に波及する経路は大きく異なります。このため、中央銀行も異なる対応が必要となります。さらに、この状況があと2四半期ほど続くようであれば、財政政策の対応も国ごとに異なると予想されます。
市場参加者、エコノミスト、そしてストラテジストにとっての課題は、今回のオイルショックがもたらす混乱の規模を正確に見極めることです。現時点で分かっているのは、その期間が「数か月」ではなく「数四半期」に及ぶということです。そして、それ自体が、インフレの上振れリスクよりも、成長の下振れリスクのほうが大きいと弊社が予想する理由でもあります。
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7 April 2026, 7:00 am - 8 minutes 41 seconds相場調整の終盤に乗る
足元の株式市場反落の終盤におけるリスク、投資家が取るべきポジション、そして次に起こりうること――これらについて弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが考察します。
トランスクリプト
市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日は最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、今回の株価調整の終盤に入るにあたって投資家が行うべきことについてお話しします。
このエピソードは4月6日 にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
ここ数ヵ月間、私の見方はずっと変わっていません。端的に言えば、米国は2022年から2025年まで私が呼ぶところの「ローリング・リセッション」にありましたが、現在は去年昨年4月に始まった強気相場に入っていると引き続き考えています。最近はAIによるディスラプション、プライベート・クレジット、そしてロシアとウクライナに加えてイランでも新たに戦争が始まるなど、いろいろな脅威が生じていますが、それにもかかわらず株価の回復傾向に変わりはありません。
市場は何も心配していなかったわけではなく、去年昨年秋以降は株価が調整しています。実際、調整はかなり進んでおり、S&P500種株価指数の予想P/E倍率は18%低下しています。これほどの低下は、リセッション(景気後退)やFRBによる金融引き締めサイクルの時期以外ではまれですし、リセッションも引き締めも実現の可能性は低いと私はみています。
一方、増益のペースは衰えていません。それどころか、数年ぶりの高いレベルに向かって加速しています。このことは、オイルショックがリセッションに至った過去の事例と異なる主なポイントのひとつです。そして、そのような状況になっていない以上、相場は悪材料をかなり織り込んだのだと私はみています。
水面下ではもっと大きなダメージが生じています。株価が直近の高値から20%以上下落している銘柄が過半数を占めているのです。30~40%下がった銘柄も少なくありません。これほどの規模のリセットは、株価調整の初めのほうではなく、終わりのほうで生じるのが普通です。
S&P500は先週反発し、私が以前から指摘していた6300~6500の抵抗帯を上方に突き抜けました。この水準を再度試す展開はあり得るでしょうか。もちろん、あり得ます。特に金利が押し上げられたり、地政学リスクが一段と高まったりすれば、その可能性は高いでしょう。しかし、それが重要な意味を持つ下落だとは私は思いません。
まだ欠けている要素として、そして私が実際に目にしたいと考えているのは、すなわち、半導体関連やメモリー関連銘柄にとりわけ見られる過密トレードでのリスク回避の動きです。相場の底固めには、この種のポジションのリセットが必要になることがよくあります。
そのため、私たちが株価調整の終盤にいるのであれば、次に問われるべきは「どのポジションに身を置くべきか」になります。私の考えでは、重要なのはバランスです。したがって、循環株と高クオリティな成長株を組み合わせたバーベル型のポートフォリオが正しいアプローチになると考えます。
循環株の側では、私は金融、一般消費財・サービス、資本財・サービスを選好します。これらのセクターは増益の勢いが引き続き強く、バリュエーションも大幅に低下しています。また、イラン紛争開始前には市場全体をリードしていましたし、米国経済はローリング・リセッションから回復する初期段階にまだとどまっているという弊社の中核的な見方も反映しています。先週発表された雇用統計で民間部門の雇用者数が18万6000人増となり、過去3年で最大級の伸びになったことも、この見方を支持しています。
成長株の側では、現時点ではリスク・リワードが非常に優れている銘柄としてハイパースケーラーに私は注目しています。生活必需品株のようなディフェンシブ・セクターとおおむね同じ株価倍率で売買されていながら、利益の伸び率が3倍以上高いのです。同時に、市場の心理とポジションの状態は2022年の弱気相場以降と、すなわち利益の伸び率がマイナスだった時期と同じくらい悪くなっています。
では、これから悪化しうるものには何があるでしょうか。株式にとってのメインリスクは、やはり金利と、中央銀行の政策の2点です。戦争ではありません。
これはもう、ご承知のとおりです。なぜなら、株価と債券利回りは逆相関関係にあり、金利の上昇は株価のバリュエーションに圧力を加えるというパターンの裏返しにすぎないからです。金利については、米国債10年物利回りで4.5%という水準が引き続き分水嶺のひとつになるでしょう。これを超えて上昇すると、株価のバリュエーションは持続的に反発する前に悪化する可能性がありそうです。
さらに、債券市場のボラティリティとFRBによる見通しは金融を引き締めの方向に動かしています。最近では、これが市場のストレスの真の源泉になっています。
ただ皮肉なことに、金融の引き締めは、究極的にはFRBやほかの中央銀行がよりハト派的な金融政策転換を行うためのおぜん立てをしていると言えるのです。金融が過度に引き締められた状態になると、FRBは柔軟に対応します。過去数年間を振り返ると、FRBにそのような意識があることを示す証拠がたくさん見つかります。
結論を申し上げますと、市場は厳しい局面をすでにかなり乗り越えています。地政学リスク、プライベート・クレジットにまつわる懸念、そして究極的には生産性を向上させるテクノロジー、AIの悪い副作用も織り込んだということです。
今は最後のハードルを飛ぼうと、すなわち政策、金利水準、ボラティリティといった困難を乗り越えようとしているところです。ここを切り抜ければ、その後の見通しがぐっと開けてくるだろうと私はみています。
ただ、忘れてはなりません。相場は、確実性の台頭を待ってはくれません。常にその先を走っています。投資家にもそのような姿勢が求められます。
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6 April 2026, 7:00 am - 7 minutes 28 seconds強気相場の再開は、見た目より早いかもしれない
株式市場は、地政学的要因や原油、AIを含むさまざまな混乱を、すでに織り込みんでいます。弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、金融政策が過度に引き締められた状態で過度に長期間維持されるのかどうか、という1点に現在、投資家の注目が集まっている理由を解説します。
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市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
本日のエピソードでは、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが登場します。上振れと下振れのバランスが、実は年初と比べて、改善している理由をお話しします。
このエピソードは3月10日 にニューヨークにて収録されたものです。
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最近、筆者がお話しした方々は、皆さん同じ点に注目しています。イラン情勢、原油価格、そしてもちろん、設備投資、労働市場への影響、そして効率性のいずれについてであれAIです。ただ、市場の値動きを見ていると、私はコンセンサスとは異なる結論に至ります。
まず、米国株式市場は、人々が考えているほど経済成長リスクに対して楽観的ではありません。
例えばこう考えてみてください。ラッセル3000構成銘柄のうち半分以上が、高値から20%以上下落しています。一方で、S&P500のPERは17%低下しています。これは楽観ではありません。完全な景気後退とは言わないまでも、成長に対する不安があった過去の局面と矛盾しない調整がかなり進行しています。
次に、誰にとっても最大の関心事である原油についてお話しします。
過去の例を見ると、原油価格の急騰が景気サイクルに終止符を打つ事例は少なくありません。ただし、景気後退が実際に起きたのは、利益成長が減速していたか、あるいは明確にマイナスになっていた局面に限られます。現在は、利益成長が加速しており、およそ14%近くで推移しています。また、予想利益の成長率は20%を上回っています。一方、原油価格の上昇幅を前年比で見ると、景気後退につながった事例で見られた上昇幅のおよそ半分にとどまっています。
言い換えると、市場は景気後退を織り込んでいません。その理由は、景気後退の可能性が低いように見えるためです。むしろ弊社では、市場は原油やその他の重要資源をめぐる不透明感が、最終的に解消し、タンカーによる継続的な輸送が再開し、価格が安定するか、または下落するまで続くことを織り込んでいると考えています。
私が見たところでは、原油より金利の方が、米国株にとってより大きな重石になっているようです。具体的には、株価と利回りの相関関係が大幅なマイナスに転じています。株式は利回り上昇の動きに対して、過去数年見られなかった極めて敏感な状態になっています。その主な理由は、FRBや各国中央銀行が、最近になって、よりタカ派的な姿勢に転換したことです。
その結果、10年物米国債利回りが4.5%という水準に近づいています。この水準では通常、株式のバリュエーションがさらに圧縮されると弊社は見ています。
さらに、債券のボラティリティも上昇しています。株式のバリュエーションは、債券のボラティリティに対して常に敏感です。良いニュースとしては、FRBは株式のボラティリティよりも債券のボラティリティにより敏感です。したがって、ここからさらに上昇するなら、FRBがハト派寄りの姿勢へと再び転換する可能性が高いと考えられます。
簡単に言うと、目先のより大きなリスクは地政学的な状況ではなく、金利と債券ボラティリティによって金融環境が引き締まることです。皮肉なことに、これは安心材料にもなり得ます。結局のところ、私は依然、この調整局面が終わりに近づいていると考えています。そして、今後6〜12か月について見ると、リスクとリターンのバランスは、年初よりも今の方が良いように見えます。
ポジショニングの面でも、興味深い変化がいくつか見えています。
ディフェンシブ株と金は、1月初旬から2月末に中東の緊張が高まり始めるまで、力強く上昇していました。しかし、その後は大幅にアンダーパフォームしています。その一方で、最近好調なセクターの一角を占めているのが、より景気敏感な業種です。これは、市場がこうした懸念の先を見越して織り込み、大半の投資家が考えるよりも早く、その先を見る準備ができている可能性があることを示していると思われます。
AIについては、依然としてディスラプションに注目が集まっていますが、目先のストーリーは、むしろ効率化と利益率の拡大だと私は考えています。伝統的な雇用循環を引き起こすような需要ショックは見当たりません。そうではなく、企業がAIを使ってコスト構造を適正化し、生産性を高めているのが現状です。
結論として、市場は、戦争、原油価格高騰、AI、クレジットリスクを織り込むことで、この調整局面における重労働の多くをすでにこなしています。いま市場が格闘しているのは、各国中央銀行が引き締め過ぎの姿勢を長く続け過ぎるという、誤った金融政策のリスクです。
もしそのタカ派的な傾きが和らぎ始めるなら…恐らくそれは債券ボラティリティがさらに上昇した時に、起こると見られます。こうした強気相場の再開は、大半の向きが予想しているよりも早く訪れる可能性が高いと考えています。
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30 March 2026, 7:00 am - 6 minutes 41 seconds苦境に直面するアジアのエネルギー依存
中東で起きている紛争の影響はアジアのエネルギー、電力、そして食料の各システムにどのように波及しているのか。弊社アジア・エネルギー・アナリストのマヤンク・マヘーシュワーリーが解説します。
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本日は、インドおよび東南アジアのエネルギー市場を担当する弊社のリサーチ・アナリスト、マヤンク・マヘーシュワーリーが、イランとホルムズ海峡に関係する混乱がどのような過程を経てエネルギー関連の混乱をアジア全域で引き起こしているのかをお話しします。
このエピソードは3月23日 にシンガポールにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
インパクトの大きさがわかるように、簡単なファクトから話を始めましょう。石油、液化天然ガス(LNG)、プロパンガスなどのアジアのエネルギーは、およそ 約4分の1が中東から供給されており、その大半がホルムズ海峡という交通の要衝を通ります。この要衝で混乱が生じると、その影響が及ぶ範囲は石油の価格にはとどまりません。アジア全域の発電、工業生産、さらには食料のサプライチェーンまでもが打撃を被ることになります。
エネルギーにアクセスできない正真正銘のショックを、アジアは50年以上経験してきませんでした。そのため、今回の事態は極めて重要です。また石油価格がバレル当たり100ドル前後にまで上昇しており、システムのストレスが高まっています。ディーゼル燃料の精製マージンは紛争前の水準の2倍に広がり、ジェット燃料の精製マージンも2倍近くに拡大しました。そして、昔から北海ブレント原油よりも安価であるのが普通のドバイ原油が、今ではバレル当たり20ドル超のプレミアムが乗った状態で取引されています。この種の値動きは、サプライチェーンがひっ迫していることを示しています。
アジアは中東に深く依存しています。アジアの石油精製業者は原油の最大80%を中東から調達しており、輸入されるLNGも30~40%が中東産です。インドや中国といった経済大国では、石油需要のおよそ約40~50%がホルムズ海峡経由で満たされています。この海峡は決定的に重要なエネルギー・ハイウェイです。したがって、その流れが滞れば、システム全体の動きが滞ってしまいます。
在庫があるためショックは緩和されるように見えるかもしれません。ただ、システムは在庫がなくなるまで待ったりせず、早めに対策を打ち始めます。政府はすでにエネルギーの配給に動き出しており、産業界はLNGと液化石油ガス(LPG)の使用を減らしています。輸出規制により、石油業界の川下部門での燃料生産も制限されています。引き締めはすでに始まっているのです。
本当の弱点は石油ではなく天然ガス、特にLNGなのかもしれません。アジアのLNGの大口供給者であるカタールで、インフラが打撃を被っているからです。アジアのLNG消費量は世界全体のおよそ半分にあたり、その最大40%を中東から調達しています。また石油とは異なり、LNGのショックを和らげる仕組みは非常に限られています。その在庫は月単位ではなく、日単位で数えられているほどです。
ここでこの話はエネルギーの枠を大きく超えて広がります。年間およそ2500万トンに達する石油化学製品の生産能力と、ざっと1000万トンの肥料の生産能力にも影響が及んでいるのです。ポリマー(高分子)のような主要素材の価格はわずか数週間で15~25%上昇しており、プレミアムはまだ拡大しています。こうした動きは乗用車、電子製品、包装資材、農業資材など日々使用されるさまざまな製品に波及します。基本的なサービスでさえ影響を受けており、アジアの一部では調理用ガスの不足が飲食店を直撃しています。
こうした事態には政策当局も対応していますが、取りうる選択肢には限りがあります。これまでに国家備蓄からおよそ1億バレルの原油が放出されました。輸送途中の割高なLNGの確保に動いている国もあります。環境には有害ながらも確実性のある石炭に回帰する国も少なくありません。
究極的には、足元の混乱が長引けば長引くほど、エネルギー、電力、化学、食料生産の各システムに加わる圧力が強くなります。そして、アジアのように外部との結びつきが強く輸入依存度の高い地域では、こうした影響は迅速に、かつ幅広く波及していくのです。
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23 March 2026, 12:30 pm - More Episodes? Get the App