イベント前日までにエクセルセンターでキットバッグを受け取る
大変ご無沙汰してしまい失礼しました。いかがお過ごしですか?とうとうリオ・オリンピック始まりましたね!
さて、スポーツと言えば私は自転車が好きでロンドンに来て以来折りたたみ自転車のブロンプトンを愛用しているのですが、いつか乗りたいと思っていたロードバイクを昨年冬にゲットしました。そして先日160kmのロングライドイベントに初挑戦してきました。
同会場ではサイクリングショーが開催されている
毎年ロンドンで行われている一大自転車イベント"Prudential RideLondon"の中のイベントの一つ、"Prudential RideLondon-Surrey 100" という2013年に始まった100マイル(160キロ)のロングライドです。今年は2万7000人ほど参加したそう。応募者が多く抽選なんですが運良く当選しました。
コース(注:PDFが開きます)はロンドン東部のオリンピック・パークを出発しロンドンより南西に位置するサリー州をまわった後、ウインブルドンを経由してロンドン中心部に戻り、バッキンガム宮殿の
ザ・マルがゴールです。
Evans Cyclesも出店。お買い得品も結構あった。
そのサリー州でヒルクライムが三つ(ニューランズ・コーナー、リース・ヒル、ボックス・ヒル)、そして最後にウインブルドンのウインブルドン・ヒルと上りが主に4つあります。最難関は一番勾配がきついリース・ヒルですが、コース終盤で現れるウインブルドン・ヒルが油断してると一番きつく感じるという噂も。
今までコツコツと練習してきましたが、本番までに半分の距離の80kmは楽に走れる位になっておけとどこかに書いてあったので、本番の丁度一週間前に二番目にきついボックス・ヒルまで自宅から約40kmを往復して80kmを無事走ってきました。坂はきつかったし右腰がずっと痛かったけど家に帰ってからも思ったより元気だったので体力はだいぶついてきたようだが、ヒルクライムを含んだ160kmを完走出来るかどうかは正直まだ不安でした。
High5の補給食セットをゲット。通販より安い。
そしていよいよ当日がやってきた。集合場所のスタート地点は2012年のオリンピックのメイン会場だったオリンピック・パーク。ウチから近くよく行く場所なのでロングライド初参加にあたって移動の事をほとんど考えずに済むのは助かった。
私は自己予想タイムをとても遅いグループに入る8時間で申告してあったのですが、平均20km/hで休まず走れば完走出来る計算になる。でもトイレ休憩やエネルギー補給に手間取ったり、パンクや故障などのトラブルがあれば完走は無理かもというギリギリライン。なぜかというと、ツール王者のクリス・フルームなどのプロ選手が同じコースの一部を走る”RideLondon-Surrey Classic”というレースが午後から始まるために、私達市民ライダーの100マイルイベントは夕方5時半で足切りと決められていたんですよね。
当日集合場所。ここで荷物を預けてゴール先で受け取る。超便利。
自分の組で並びほぼ予定時間通りにスタート。8時59分スタートの私は、8時間半と1分後には足切りという切ない事になりますが、遅いライダーはスタート時間も遅いので当然そうなります。
和やかな雰囲気で走り出して間もなく何車線もある高速道路に入る。広々としてるがかなりの人数なので接触事故をすぐ起こしそうなため気を引き締める。平均速度30km近くで落ち着いて走れてるのでこれなら順調に行けば予想より早く完走出来るかも。
自分たちのWave(組)で並びながら誘導に従ってゴール前に進む
しばらく順調に走ってると前方のライダー達がハンドサインでスローダウンの手振りをしながら減速しているのが見え、その先に集団が停止しているのが見える。私も後方のライダー達にハンドサインを引き継ぎながら止まる。
救急車が止まっているが特に緊迫した様子は無いので状況がよくわからず、水分補給したり補給食をつまんだりストレッチをしながら待つ。やがて走行再開。結局何があったのかわからなかったが、この時間を利用して休息出来たので痛み始めていた腰と痺れていた足がだいぶ楽になった。
スタート前。DJがカウントダウンで盛り上げる
それから少ししてまた停止させられる事があったがそう時間はかからずに走行再開。そしてRipleyという町の補給所手前でまた止められたが今度は長時間進まない。結局ここで小一時間は止まっていたと思う。
隣にいたお兄さんが電話で誰かに「完全に止まってしまってる」と説明してたので何かあったのかと聞いてみたら、先の方で心臓麻痺で倒れた人がいるらしいとの事。また別の人は、誰かが落車したところに後続の自転車が突っ込んだらしいと教えてくれた。
誰もが完走目指して今日という日を楽しみに準備をして参加しにきたはずなのに、倒れたりシリアスな事故にあってしまった人達がいるという事実にかなりのショックを受けた。昨年も一昨年も一名づつ男性が心臓麻痺で亡くなってるんですよね。なので余計に心配だった。無事でいてほしい。
Ripleyで長時間の走行中断。ジワジワ暑くなってきていた。
その後ようやく再開するも何度かまた止められた。度重なる停止によって発生した大集団による狭い道での自然渋滞も起こり、トータルでかなりの時間まともに走れずに止まったり押し歩きを余儀なくされる状態になったが、待っている人達の長い列でウェーブが起きたりと待つ時間も含めて楽しもうという雰囲気だった。やむを得ない事情を理解しているので文句を言う人などはいない。
ぜんぜん進まない。。。
そしてようやく渋滞が解消されてから最初の難関ニューランズ・コーナー頂上のHUB(補給やトイレ、バイクメンテナンスが出来る大きなサービスエリア)で奥さんが友達と応援及び奥さんオリジナルの補給食を補給しに(ややこしいな)来てくれていて無事会えた。
最初は私のペースが予想より順調過ぎたのでHUB到着予定時間よりかなり早く通過してしまうんじゃないかと心配していたが、この時点で既に大幅に遅れていたみたい。トータル10分程休憩してから走行再開した。
この道でウェーブが発生。脇に入って小用をたすおっさん達も(笑)。
その後サリーで最後の登りであるボックス・ヒルにやってきた時に、あれ?最難関のリース・ヒルはもう越えてたのか?気づかなかったくらい楽勝だったんだなと嬉しくなり俄然元気が出た。それに一週間前試走しに来てる安心感に加えて、これがサリーで最後の登りだと思うと、先週はヘロヘロで歩いた方が早い位だったのに、何人も追い越せるほど元気になった。おそるべしメンタル影響力。
ゴール後はバッキンガム宮殿前の広場の方に進む
その後最後の上りウインブルドン・ヒルを抜けて(確かにキツかった)ロンドン市内に入りテームズ川に沿って走り始めた。もう少しでゴールだなとガンガン飛ばしていたのはいいんですが、手元のサイコン(サイクル・コンピューター)が示す走行距離に妙に違和感を感じる。160kmまでまだ20kmほど残ってるのに地図上でも最近二回ほど通ったおぼろげな記憶(超方向音痴です)でもゴールまでせいぜいあと数キロってところ。
GPSの誤差なのかなと不思議に思いながら走っているうちに気づいたらもうザ・マルの最後の直線に入っていてびっくりした。この時嬉しさが全ての疑問を吹き飛ばしてしまい(笑)一心不乱にゴールを目指しペダルを踏んだ。柵をバンバン手で叩きながら我々ライダー達に歓声を送ってくれている沢山の人々に感激しながらゴール。
サイコンを確認してみると総走行距離が147.5kmとなってるが、きっとサイコンの誤差だろう、さすがのGPSも160kmレベルになってくると誤差が10kmくらい出て当たり前なのかもしれないと勝手に納得して完走の余韻に浸っていた。160kmで10kmの誤差って普通に考えたら商品レベルでないんですけどね(笑)。
ジャージを見ればわかるようにチャリティー参加のライダーが凄く多い
そして預けてあった荷物を受け取り奥さんと合流すると、「ダイバージョン(迂回)は残念だったけど頑張ったね!」と祝福してくれた。ダイバー・ジョンって誰だっけ??と思った次の瞬間全ての謎がとけた。その時の私の満面のドヤ笑顔はまるで瞬間冷凍でもしたかのように固まっていたらしい。
つまり最難関のリース・ヒルに入る前の時点で通過してなければ行けない時間をはるかにオーバーしていたので、一番挑戦したかったリースを(呼び捨て)スキップする迂回ルートに誘導させられていたのであった。なるほどリース・ヒルが楽勝だったわけです。だって通ってねーし。
その迂回した分が11.5kmだったので総走行距離が147.5kmだったのね。。。と一瞬激しくしょんぼりしましたが、気を取り直して完走を喜ぶ事にしました。また来年挑戦するいい動機になりますしね。
そんなこんなでちょっとだけ悔しさも残った初ロングライドイベントでしたが楽しかった。
かかった時間はオフィシャルの記録で走行距離92マイルを7時間32分。停止や徐行してる時間も含んでます。
そして私のサイコンの記録ではオートストップ機能をつけていたので停止時は含まず6時間18分という記録でした。徐行時も含みます。自分としては上出来なタイムだったので嬉しかった。もし中断が無ければ体の痛みや疲れでもっとタイムは悪かったんじゃないかなと思います。
バッキンガム隣のグリーンパークではClassicの中継をしていた
そして最後になりますが、大変ショッキングな事に心臓麻痺で倒れた男性はその後亡くなってしまいました。大きなニュースになり
BBCなどでもトップで報道していました。この方はガンを克服した経歴のある人で
チャリティー募金のために参加されてたんですよね。奥さんの気丈なコメントに涙が出ました。
頑張り甲斐のある楽しいイベントでしたが危険と隣り合わせでもあります。私のようなロード初心者でも下りだと60km/hくらいは簡単に出ましたし、もし落車したらただの怪我程度では済まないでしょうし他人を巻き込む可能性の方が高い。来年はより安全運転を心がけたいと思います。そして犠牲者もケガ人も出ない事を祈ります。
ということで、長くなってしまいましたが最後まで読んで頂きありがとうございました。
来年も挑戦したいと思います。今日から申し込みが始まったのでこのブログをアップした後エントリーしますよ。抽選でまた選ばれるといいんですけど!